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色の力 (ジャン=ガブリエル・コース)

色の力 消費行動から性的欲求まで、人を動かす色の使い方

色の力 消費行動から性的欲求まで、人を動かす色の使い方

心理学とか人間工学とか、そっちの方面をメインに色を解説・紹介している本でした。 より工学的な、数学を使うような話は全くないので、トリビアとしても、色の配分を考えるにしても、比較的読み易い本だと思います。

睡眠薬は青色だと効果が増しやすい、中国人男性は緑色の帽子を決して被らない、室内の光は明るいほど作業効率が増す、白を無計画に多用するのは勿体無い、といった感じの色の使い方に触れられています。
この本を一通り読んだ後だと、日常での諸々の配色を、それまでとは違った観点から意識できそうです。

この本の著者はフランス人の方ですが、世界各国による違いなんかも要所要所で書かれています。日本も室内光について触れられています。
参考文献欄には論文や本が並んでおり、情報の信頼性も高いように見受けられます。
…ですが、

色覚異常は、男性の 0.4% 、女性の 8% に見られるといわれる

この一文は疑問です。この本でも直後に述べられている通り、色覚異常 (赤緑色弱) の場合は、 Y 染色体が原因となっている場合が殆どのはずなので、 XY の男性よりYY の女性の方が割合が高い、ということは起こり得るのでしょうか…?
この記述は訳者のミスでしょうか。原著が英語でもなさそうなので、確認は私にはできそうにありませんが。。。

索引のある本ではないですが、色ごとの各国でのイメージは末部分に簡潔に列挙されているので、辞書的な使い方もできなくはない…かもしれません。それならググったほうが早いでしょうが。

無彩色でなく、好きな色を好きに使って、合わなければ変えれば良いじゃない、って纏め方になっているのも面白いです。